日本酒の3タイプをさらに細分化!『特定名称酒』という種類分けについて。
日本酒の種類は8つの名称に分類されています。それらを「特定名称」と呼んでいます。
もし、「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」についてご存じないようでしたら、まずは前回記事をお読みください。
純米?吟醸?日本酒の種類を分かりやすく解説します! - サカズキ 〜新潟産きき酒師による日本酒記〜
特定名称酒とは
前回記事でお話しした3種類のお酒を、さらに細かく分類したものが『特定名称酒』と呼ばれるもので、下に記載する8種類の名称の総称です。
- 純米大吟醸
- 大吟醸
- 純米吟醸
- 吟醸
- 特別純米
- 純米
- 特別本醸造
- 本醸造
似たような言葉ばかりで混乱してしまいそうなので、少しずつ見ていきましょう。
”大”吟醸と吟醸の違い
前回記事に書いた通り、「純米」という名を持てるのは「米、米麹、水」のみで作られたお酒のみです。では『”大”吟醸』とはなんでしょうか?
「吟醸」はお米を40%以上(精米歩合60%)削って造られた、低温でゆっくり発酵させたお酒の事でしたね。そこに”大”がついていますので、さらに上質であることが想像できます。
「大吟醸」はお米を50%以上削った吟醸造りのお酒の事を言います。
お米の表面に近い部分には脂肪やタンパク質などが含まれていて、それらが雑味の元になってしまうんです。それらを多く取り除くことで、良質なデンプンが得られます。手間暇かけて造った大吟醸は大変高価ということですね。
(※お米を50%以上削るのには、50時間以上も要するそうです。)
”特別”純米・本醸造とは?
かなりあいまいな表現ですが、『特別』という名をもった種類が2つ存在します。
『特別純米』『特別本醸造』です。
「純米酒」には精米歩合(削って後に残ったお米の割合)の条件はありません(以前は70%と決められていましたが廃止されました)。「本醸造」には70%という精米歩合の条件がもうけられています。
『特別』がついた純米酒・本醸造には精米歩合60%(40%以上削る)の規定があります。
加えて、特別な製造方法をした場合に付けられる、というのも条件です。また、その製造方法については記載する決まりになっています。
「特別な製法」については、蔵元さんごとに違うので色々なものがありそうです。
『特別純米』『特別本醸造』を見かけたら、こだわって造られたお酒なんだな~と思いましょう!
特筆すべきは以上!まとめ
以前別件で作成した表を使ってみました。
上が純米系、下が本醸造系。作成の都合上「吟醸系」に関しては精米歩合で判断して頂ければと思います。
最初はいきなり覚えるのは難しいかもしれません。
逃げるもんでもないですから、あせらずゆっくり吟醸酒のように時間をかけて覚えていきましょう!